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SYUTO Press
2013.09.30

SYUTO Press Vol.06 プラモデル雑学クイズ(謎のへこみについて)

SYUTO Pressも第6回目となりますが、今回は少し趣向を変えて、クイズ形式でいきたいと思います。プラモデル好きならばすぐに分かる問題です。

さっそく問題です!
プラモデルを製作するときに裏側に円形の凹みがあることに気付いている方もいらっしゃると思います(下の赤丸の部分)。

ダボ穴5

 

こちらは何のためにあるのでしょう?

 

ご自身をモデラーと自負する方ならばプラモデル専門誌などで、「表面処理」や「ヒケ処理」で説明されることも多いのでご存知かと思います。答えはパーツを射出成形で製作する上で生じる、突き出しピン(ダボ)の跡となります。

 「ヒケ」とは、プラモデルを射出成形により溶かしたプラスチックを射出して製品を製造します。そのときに冷えて取り出された製品は収縮します。場合によっては金型そのままの形にならず、へこんだりする部分ができたりします。その部分を「ヒケ」といいます。プラモデルを製作するときに表面処理(サンドペーパーで削る作業)をすると、へこんだ部分が目立ってしまいます。極端に目立つ場合などはパテなどを埋めて対応することもあります。

しかし、ここ数年で弊社ももちろんのこと、金型技術が向上したため、あまり見られなくなりました。弊社でも射出成形したプラスチックがオス側にくっつくように設計をしています。

射出成形してからパーツが完成するまでに1分間に2個製作するのが基本的なスピードです。つまり溶かしたプラスチックが冷えてパーツとなるまで約30秒となります。短時間の勝負となりますので、まずオス側にパーツがくっつくように表面積を大きく設計します。そうすると熱が冷める時、オス側にパーツが貼り付きます。表面に細かい造形がある場合、どうしても表側の表面積が大きくなります。このパーツを裏側の表面積を大きくし、オス側に貼り付くようにするためには、設計力と技術力が必要となります。

そして、最後にパーツを突き出しピンなどで押出すことで引き剥がします。その時にできる凹みが冒頭の赤丸の部分となります。ピンや棒状のものなど金型によって様々な形状があります。

プラモデル金型

こちらが実際の金型になります。ハリセンボンのようにあるのが突き出しピンとなります。こちらを押し出すことでオス側(写真ですと取っ手状のものがあるパーツ)にくっついているパーツを引き剥がすことで、ひとつのパーツが完成します。

このように弊社では金型製作において設計段階、金型製造の段階と高い技術力でみなさまのご要望にお応えする製品を製造しています。

金型の実際の設計から機械加工、手仕上げまでの流れにつきましては、「プラモデルの企画・設計」をご覧ください。

今回のプラモデル雑学クイズいかがだったでしょうか。普段何気なく見ているパーツも様々な技術と計算で作られています。組み立てるときに、ふと思い出してもらえたらうれしい限りです。