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SYUTO Press
2013.07.30

SYUTO Press Vol.04「100分の1ミリの世界、嵌合(かんごう)調整について」

SYUTO Pressも第4回目は、嵌合(かんごう)調整についてご紹介いたします。

嵌合とは聞きなれない言葉ですが、「軸と穴のはまり合い」の寸法のことをいいます。プラモデル金型などでは、最初の金型の状態で組み立てますと製品同士がゆるい状態となります。これは、オスとメスの部分(下の写真の赤丸の部分)が完全に合っておらず、後から少しずつ丁度良いはめ具合に調整するためです。嵌合とは、「嵌め合い(ハメアイ)」から「嵌合(カンゴウ)」へと変化した単語とも言われています。

嵌合

つまり嵌合調整とは、金型ではこのゆるみを主に手作業で攻めていく(修正する)作業をさします。

実際の作業では、オスの部分(上の写真ですと左側)の金型を太くしていきます(削っていく)。金型も最初はオスの部分を小さめに作成し、そこから削っていくことで調整をしてきます。削りだす調整の幅は100分の1ミリから2ミリとなります。

先月号でも100分の1ミリと単位での調整が可能と記載いたしましたが、なかなかイメージが湧かないかと思います。これはたとえるならば、テーブルにマジックで線を引き、机に傷つけることなくマジックの部分だけを削りだすとほぼそちらが、100分の1ミリとなります。

嵌合調整

こちらの写真が実際に削りだしている作業風景となります。機械による調整も可能ではありますが、ちょっとした温度の変化で刃の部分が膨張してしまうため正確に調整することができない場合があります。

熟練の技術者となりますと、一回の攻めで(削りで)100分の1ミリを長年の経験と腕で調整することができます。弊社でも熟練の技術者がいるのは当然として、技術が絶えぬよう若手の技術者の育成にも余念はありません。

熟練の技術者が最後に調整をすることで、プラモデル製品のゆるみがなくなることはもちろんのこと、何度抜き差ししても大丈夫な製品へと仕上がっていきます。

このようにCADによる精密な設計から、機械加工、そして最後は熟練の技術者による最終調整と、弊社ではお客様にお納めする製品に自信をもってお届けしています。

ご興味ございましたら、ぜひとも「プラモデルの企画、設計、製造」の「4、手仕上げ」をご覧ください。